「死にたい」と言われました。どうしたらいいでしょうか

時折「死にたいと言う人ほど死なない」という

言い方をする人も目にしますが,

そういうことは決してありません。

 

まずは真摯な態度で向き合うことから始めてください。

「死にたい」という訴えをされると,

ほとんどの場合,それを否定したい気持ちが湧いてきます。

例えば「そんなこと言ってはだめ」

「死ぬ気があれば何だってできる」などです。

このようなことばかけは多くの場合,相手を失望させてしまいます。

死にたくなるまで思い詰めている人であれば,

そのような考えはすでに自分で考えているはずです。

 

それよりもまず,

誰にでも言うことはできない訴えを自分にしてくれたことに感謝したり,

話してくれたことを労いましょう。

 

続いて,いくつか質問をしましょう。

いつからそのようなことを考えるようになったか,

なにかきっかけがあったのか,

一日のうちどのくらい死ぬことについて考えているか,など。

 

たいていの人は,

自分の死にたい気持ちについて語ることは非常なストレスです。

こちらから問いかけていくことによって,

そのような考えに至った思考や感情の流れを

注意深く聴こうとしてください。

 

ただしあまり話させすぎないように,

急がずにゆっくりとことばが出てくるのを待ちましょう。

沈黙があって当然です。

 

話を聴いた後はなにかコメントをしたくなると思いますが,

最小限に留めましょう。

その代わりに,もう一度,別の日に話す約束をとりつけてください。

約束はつながりを生み,

死にたい気持ちへ傾くのを支えてくれます。

 

ただし,身体症状(不眠や食欲不振,強い倦怠感など)によって

生活に支障が出ているようであれば,速やかに医療につなげましょう。

 

また,死にたいという相談を受けたことをひとりで抱えるのは

非常に強いストレスを生みます。

十分配慮した上で,誰かと共有することは

相談者を守るためにも重要なことです。

(臨床心理士 佐竹圭介)

これに関連するかもしれない項目