悪夢ばかりみます

夜寝ているときに見る夢は

人間にもともと備わっているストレス解消法のひとつです。

 

人間は昼間に起きたできごとについて,

眠っているあいだにそのときの気持ちや考えを整理します。

その整理作業の残りかすが,

朝方,夢として覚えているものであると言われています。

 

そのため,ショックなできごとを経験したとき,

その影響が大きければ大きいほど,

整理するのにたくさんの夢の作業が必要になります。

一晩の睡眠ではとうてい整理できないので,

繰り返し悪夢として鮮烈に思い出されるのです。

 

つまり,悪夢はショックなできごとを

なんとかこころに収めようとする大事な作業ですので,

それ自体は悪いものではありません。

夢の作業が進めば,1週館~2週間ほど経つと

次第になくなってくるのが普通です。


ただし,ショックなできごとの影響が強過ぎたり,

快適な睡眠がとれる環境になかったりすることによって,

悪夢が2週間~3週間と長期間続いてしまうこともあります。

 

そうすると今度は

「寝たらまた悪夢を見るのではないか」という思いから,

眠ること自体に不安を感じるようになります。

 

睡眠がとれないと夢の作業も十分にできないので,

悪夢が改善しない,といったように辛い悪循環に陥ることがあります。

こうなると自分ひとりで解決することは困難です。

医師に相談して眠りの質を良くしたり,

不安を軽減したりするために薬を処方してもらうことも

必要になるでしょう。

 

また,ショックなできごとについて,

自分の考えや感情を整理するために,

臨床心理士などの専門職と会って話をすることも

役に立つかもしれません。

 

また,ごくまれに悪夢が

心疾患や呼吸器疾患などのサインとして生じることもありますので,

念のために心電図や血中酸素濃度などの

身体的な検査をしておくと良いかもしれません。

 

(臨床心理士 佐竹圭介)

これに関連するかもしれない項目