何も話さない人がいて、どう関わったらいいのかわかりません

ひとくちに何も話さないと言っても,

そういった人たちが皆,

同じ理由で話さないわけではないかもしれません。

 

まず,自然災害などのショックなできごとの直後は,

以前とは人が変わったように会話をしなくなったり,

人との接触を避けたりする方が増えることがよく知られています。

 

これは,それまでに体験したことのないようなできごとにさらされると,

人はその体験によって引き起こされる感情に圧倒されて,

その体験を十分にことばにできなくなるからです。

 

ただし,それは停滞しているわけではなく,

こころのなかでその体験を扱えるものに変化させていく作業が

おこなわれています。


また,明確なショックなできごとがあったわけではなくても,

あまり話さなくなったり

気が塞いでいる様子だったりする方もおられます。

 

こういった人たちのなかには,

人とかかわりを持つことを減らすことによって,

精神的なエネルギーを蓄えようとしている方もおられます。

 

普段でも疲れたときにひとりになって落ち着きたくなることは

誰でもありますが,

程度は違えどもそれと同じことです。

 

さらに,

もともとあまり人と話をすることをしないタイプの方もおられますが,

いずれにしろ,話そうとしない方に対して

無理に話をさせようとするのは,

あまり良い結果をもたらしません。

 

例えて言うなら,じっくりコトコト煮込んでいるお鍋のふたを開けて

具材を引っ張りだすようなものです。

 

無理に働きかけずにそっと見守るのが原則ですが,

もしかかわりを持とうとするなら,

ちょっとした軽作業を手伝ってもらうことをお勧めします。

 

その作業は耳や口をつかうものよりは,

 目や手を使う種類の作業の方が良いです。

 

みんなと一緒の作業をすることで孤立感が高まることを防ぎ,

人の役に立つことで気分が安定します。

(臨床心理士 佐竹圭介)

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